こんにちは! 久しぶりに投稿します。
3月11日は東日本大震災から5年目を迎えました。
テレビをつけると3.11の特集ばかりで
本当に心からご冥福をお祈りするとともに、
被災から5年たってもなお心癒されないご遺族のかた、まだ、避難生活をしていらっしゃる被災者の方々
の悩み苦しみが少しでもなくなりますように心からお祈り申し上げます。
その中でもやはり、感動したのは、海外からの支援や多くのボランテイアの方々が復興をささえてきたということです。
2011年の流行語大賞の中に
絆
という言葉が入ったの印象的でしたよね。
人と人とのつながり、絆
が復興をささえてきた。
「そんなつながりのあるコミュニテイがこれからの時代に
大切なことになるのかなあ。」
とまた確信し、私自身もそんな世界をめざして、日々小さな活動を積み上げている最中です。
ところで、5年前のあの日、今年と同じ金曜日で私は千葉のクリニックで診療していました。
ちょうど午後の診療がはじまる直前、
今まで経験したことがないような立っていることが困難な大きなゆれを感じ、これは尋常ではないと。
午後の診療がはじまるを待っていた患者さんたちの中から
「津波が来るよ。」
という言葉が聞こえたのを覚えています。
千葉のクリニックは九十九里にあり、海岸から多分500mくらいのところにあります。
患者さんたちとスタッフに帰宅していただき、私はクリニックで待機。
すぐに停電、そして断水に気づき、
近くのコンビニに水と携帯充電器を求めに車で出かけ、
これまた、海岸からものすごく近いコンビニに行くと
すでに携帯充電器は売り切れ、そして閉店寸前。
「ここにいると津波がくるから」と早く帰るように言われました。
沿岸で暮らしたこと経験がない私にとっては「津波」と言われてもピンときません。
「はあ、そうですか?」とクリニックに戻りました。
そして、次に思ったのは
「まあ、大丈夫でしょう。 もし、来ても
たいしたことないでしょうです。」
よく地震が来た後に津波注意報がきますが、いつも小規模のものでたいしたことなく、
あの時大丈夫だったから今回も大したことないと思っていました。
ところで
災害心理学
って 聞いたことがありますか?
東日本大震災のとき7割の方々が自宅から逃げていなかったそうです。
大震災のような危機的な状況になると特別な行動心理が働くそうです。
そのひとつが
正常バイアスです。
自分に限っては大丈夫という根拠のない思い込みです。
人は強いストレスをできるだけさけたいので、無意識に危機を見て見ぬフリをしてしまうのです。
恐怖と向き合うのは怖いです。
脳は快を求め、不快をさけるです。
そんな正常バイアスな行動心理が大きな被害をもたらしたともいわれています。
このことを知って
「はっと」しました。
「それは病気でも同じなんではないか?」
たいていの人は多少の体の異常を感じても、 もしくは検診での検査の異常を指摘されても
「きっと大丈夫」
と思います。そう思いたいのです。
実際はなんかおかしいと感じたり、医師から異常を指摘されても
「そんなはずはないだろう」と偏った(バイアスがかかたった)見方をしてしまうのです。
楽観的な考え方自体はいいのですが、本当の危機が迫っているときには要注意です。
あなたは どうですか?
医師から異常を指摘されても 自分に限っては大丈夫と思っていませんか?
私の患者さんの中には、残念ながら大きな合併症を予防できず、
人工透析になったり、心筋梗塞や脳梗塞など生活の質を落としてしまう合併症になった方もいらっしゃいます。
もちろん、医師としての指導不足も反省しながら、しかしながら、その中には私が指摘してながらも
自分に限っては大丈夫とという方々もいらしたのではないか?
これからはバイアスがかかった見方をしていることにも気づいてもらうような指導も必要と思いました。
あなたなら、まだ、大丈夫です。
恐怖や不安と向き合うのはこわいし、不快な感情は避けたいです。よくわかります。
ですが、
もし、何か異常を感じたり、指摘されたりしたのであれば、
一度向き合ってみる勇気も必要なのではないでしょうか?
必要以上に怖がらなくても大丈夫です。信頼のおける人や医師に相談してみてください。かえって安心すると思います。
そして、もし、何かアドバイスを受けたら、一旦受け取り、自分で吟味して、
行動を変えていくことも
大切ではないでしょうか?
震災の翌日夕方頃でしたでしょうか?停電が回復し、テレビをつけてぞっとしました。
津波の映像、とってもショッキングでした。
そして、私のクリニック付近は大丈夫だったのですが、数十キロ先の同じ千葉県旭町というところでは津波による被害があったのです。
「私に限っては大丈夫。」が
もしかしたら、命取りになっていたかと思うと
本当に恐ろしい思いをしました。
まず、何か このような心理状態に陥ったときは
自分はバイアスにかかっていると気づくことができれば
行動をコントロールすることができます。
適切な行動をとるとができるのです。
その行動次第であなたの健康を損なう、もしくは命にかかわる結果が避けることができるのです。